嫁には離婚されたくないので、借金のことは絶対にばれたくない。本業の他にアルバイトを2つ掛け持ちして何とか借金返済に充てています。
毎日、借金返済のことを考えながら疲弊している毎日。そんな疲れを和らぐ方法を発見してしまいました。
それは、「キレる」ということです。
私は普段からストレスがたまっても文句も言えない性格でしたが、先日、逆ギレしてすかっとした経験からクセになりそうです。
今日も仕事でストレスが溜まっていた私は、帰りの電車で席に座れずに立ちっぱなしでした。急いでいたのでイライラしていたのに、さらに駅に着いた途端、電車がドア付近で止まってしまいました。
「何だよ電車!」
離れていく駅員に届かない程度に愚痴ってやりました。
なぜ急いでいたかと言うと、実は、今日は私の誕生日でした。
いつもは特別なこともなく、気にせずに家に帰っていたのですが、今年はなんと妻がお祝いしてくれるとのことでした。
しかも、妻は友人たちと共謀して、私には内緒で準備を進めていたようなのです。
妻は朝から早起きしてケーキを作り、友人たちも次々と私たちの家にやってきていたようです。
私は仕事から帰ると、家の前に多くの車が停まっていることに気付きました。
驚きながらも、妻のサプライズパーティーだと気付いた私は、ドアを開けて家に入りました。
すると、大勢の友人たちが「おめでとう!」と声をかけてくれました。
私はこれまで生きてきた中で一番くらい感激して言葉が出ませんでした。
友人たちの後ろには立派なケーキがありました。
妻は笑顔で「お誕生日おめでとう!」と言ってくれました。
私は妻の手を握り、感謝の気持ちを伝えました。
しかし、その瞬間、私の心に残念な事実が浮かび上がりました。
私は借金地獄に生きる身であり、こんな華やかなパーティーを開く余裕などありません。
借金のことを妻には絶対に言いたくないと思っていた私は、パーティーの雰囲気を壊したくはありませんでしたが、
明日からの生活はさらにお金を使えないという気持ちが募りました。
妻に申し訳ない気持ちもありながら、お返しなど絶対にできる余裕がない。
私はこともあろうに逆ギレの力を使って、この状況をどうにか切り抜けようと考えました。
友人たちが私の周りに集まってきてくれて 「ケーキを切ろう!」と言った瞬間、私の目の前が真っ白になりました。
一瞬、何が起こったのかわかりませんでしたが、顔面ケーキというやつです。
私はうれしい気持ちを押しこらえ、逆ギレの力を使い部屋から逃げ出しました。
このパーティーを通じて、友人たちの笑顔が私に幸せを与えてくれました。
でも、与えてくれた幸せを返せる余裕はなく、私はキレてパーティー序盤で退場してほぼいなかったことにしたのです。
「これでお返しをしなくても違和感はない。」
きっといつか借金地獄から解放された日には友人に感謝をしようと思います。