一度でも借金を経験した方であれば、「本当に返しきれるだろうか」といった不安を感じたことがあるのではないでしょうか。特に借金の額が3桁を超えてしまうと、返済までの道筋が見えず困ってしまう方も少なくありません。
今回はそんな借金返済の現実を綴った体験談ブログを5つご紹介しながら、完済までに抑えておきたいポイントを整理していきましょう。借金を返すにあたって必要となる「返済計画」を立てるコツや、返済が難しいと判断したときに利用したい債務整理の方法についても詳しくご紹介します。
目次
借金返済を目指す方に読んでほしいリアルな体験談ブログ5選
借金返済までの道のりは、時に自分が思い描いていたものとは異なり、長期化したり合計の返済額が膨れ上がったりする場合があります。現在の借金が少額なため安心している方も、知らず知らずのうちに利息が付いていたり、元本がまるで減っていなかったりする可能性を考慮しなければなりません。
まずはこうした借金の落とし穴にハマって苦労した方が、そのときのリアルな感情を赤裸々に綴ったブログを5つご紹介します。それぞれのブログで借金の状態や返済方法・苦労したポイントなどが異なるため、時間のあるときに全て確認しておくことをおすすめします。
借金まみれさん|嫁に内緒の借金400万円をFXで返済していく~風前の灯火~
こちらは2015年7月4日から記録を付け始め、2024年現在まで借金を返し切れていない「借金まみれさん」の綴ったブログです。彼は子供の頃から金銭面で苦労してきており、大人になった今も同じく借金を抱えた生活を続けています。パートナーや2人の子供に恵まれながらも、現在は日雇い労働者として働きながら、生活と借金返済の両方を続けています。
借金まみれさんが初めて借金をしたのは、記録がスタートした2015年から約10年前のことでした。初めてPCを入手した彼は株取引にチャレンジし、元手の100万円を瞬く間に溶かしてしまいます。さらに信用取引にもチャレンジしながら復活を目指すも、消費者金融などで負けた分を借りる生活が続き、約7年の間に借金が550万円まで膨らんでしまいました。
ここで彼は意を決して妻へ借金をカミングアウトします。現在借金に悩んでいる方の多くは、パートナーや家族にその辛さを打ち明けられず、一人きりでどうしようかと困っているのではないでしょうか。彼は最初その壁を乗り越えて借金のことを相談しますが、なんとカミングアウトしてからも借金はさらに膨れ、カミングアウトした分以上の新たな負債を抱えてしまうのです。
3,000ページ以上に及ぶ借金まみれさんの返済記録ですが、現在はFXで元手を増やし、借金返済を目指しているようです。長きにわたる記録の中で彼の気分が一喜一憂していく様子や、なかなか元本が減らず苦悩する様子などから、一人の人間の人生を垣間見ることができます。
限界おじさんさん|無職を目指す底辺のログ保管庫
あくまでも「フィクションとしてお楽しみください」としていながらも、現実に起こりうる出来事を織り交ぜたリアルな書き込みが続く「限界おじさん」のブログ。19歳の頃にパチンコ・スロットと出会い、そこから35歳までの間にギャンブルや株で800万円近くの借金を作ってしまいました。この頃から限界おじさんとしてブログ活動を始め、5年以上が経った現在も完済の目途は立っていません。YouTubeやXなどでもリアルな報告を続けており、同じように借金の返済に苦しむファンから人気を集めています。
20代・30代は会社員として企業に勤めていながらも、35歳頃にできた借金が元となりギャンブル欲が抑えられなくなっていった限界おじさん。パチスロだけでなく競輪などにもチャレンジし、得たお金以上の損失を重ねていきました。40歳になると20代から勤め続けた企業を退職せざるを得なくなり、転職するも収入が激減。さらに完済が遠ざかる事態となっています。
そんな限界おじさんは、35歳の頃に作った借金を一部任意整理しています。本記事でもご紹介しますが、任意整理をはじめとする債務整理は借金問題を抱える方にとってしっかり確認しておかなければならない救済措置です。任意整理は債務整理の中でも比較的手軽に利用できる措置ですが、借金の利息のみが減るため、大幅な減額は望めません。そのため彼が任意整理による借金を完済したのも、任意整理から5年以上が経ってのことでした。
任意整理による400万円ほどの借金を返済しても、2024年現在の彼には300万円近い返済が残されています。未だにパチンコを止めていない様子の彼が本腰を入れて借金返済に取り組むまで、今後も見逃せない展開が続きそうです。
すだちさん|今度こそ完済!借金500万円返済日記
「すだちさん」が綴る借金返済ブログは、ギャンブルや株によるものではなく、やむを得ない事情で膨れ上がってしまった借金に苦しむ様子が伝わるものです。とはいえ、初めに借金ができてしまったのは若い頃の浪費癖が原因でした。新卒で入った会社の給料が良かったことも相まって、得たお金は全て使い、足りない分はクレジットカードやカードローンを次々に組むことを繰り返していたようです。
彼がその借金に気が付いたときには、その総額はなんと800万円に達していました。ようやく焦りを感じ任意整理をするなど、借金返済に向けて動き出したすだちさん。任意整理によって返済の大変さが少し緩和されたと思いきや、何と返済途中に給料の良かった会社を退職してしまうのです。彼の浪費癖は高額な給料ありきだったと今なら分かるものの、当時の彼は心機一転を目指してあっさりと退職を決意。退職金と失業手当を手にし、1年間ほど働かずとも生活ができていたようです。
しかし、そんな生活も長くは続きません。再就職を果たしたすだちさんですが、何と新たな就職先では手取り約12万円の生活が待っていました。ボーナスもなくわずかな給料の中からやりくりをし、ようやく任意整理分を返済するも、契約社員という立場の危うさを考慮し正社員への道を目指します。そしてさらに転職をした先で出会ったのが、いわゆる「ブラック企業」であり、借金は再び500万円を超える金額まで膨れ上がってしまいました。
自身の判断ミスがありながらも、借金が再度膨れてしまったのはブラック企業に勤めたことが原因だといえる彼のケース。現在借金に悩んでいる方の中にも、過重労働や給料の少なさに苦しんでいる方もいることでしょう。借金の返済を考えると同時に、すだちさんのような苦しい状況を打破する勇気を持たなくてはならないといえます。
えりかさん|貧乏生活の全貌。~借金返済&貯金~
「えりかさん」は当初、無職の夫と2人で暮らす際の節約生活を紹介するブログを書いていました。自身の給料は手取りで13万円ほど、夫の給料はなし。地方に暮らしているとはいえ、13万円で大人2人が過ごすのはなかなか難しいといえるでしょう。子どもを持たない決断をしたのも、経済状況が改善しないことを見越してのことでした。
そんな苦しい生活の中、ついに借金が350万円まで膨れ上がったえりかさん。こまめに家計簿をつけており、2017年時点では100万円を切るところまで進んでいました。このまま無事に完済まで到達できれば、ブログ読者の人々にとっても良いお手本となったのではないでしょうか。
しかし2022年には自家用車にトラブルが発生し、買い替えによって借金が増額。さらに同年夫に悪性脳腫瘍が見つかったことで、医療費などの負担も増えることとなりました。夫は現在症状が緩和したものの、脳腫瘍による後遺症が残り、今も無職で闘病生活を送っている状態です。そんなトラブルが続き、借金の返済もイメージ通りに進まない日が続きました。
そんなえりかさんは2024年現在借金に関するブログを更新していないことから、おそらく残りの金額は全て完済したのではないかと思われます。夫婦2人の食費を月3万円以内に抑える方法や、節約&ダイエットに役立つレシピなども多数公開しているため、生活費を切り詰めて返済に回したいと考えている方にとって役立つ情報が盛りだくさんです。
ryouko2021さん|【主人に内緒で借金300万円】家族に内緒で借金完済を目指す、主婦涼子のブログ
「ryouko2021さん」は、夫に内緒で300万円の借金を作り、内緒のまま完済を目指すといった内容のブログを執筆しています。借金の内訳はクレジットカードの分割払いやリボ払いがメインのため、境遇をイメージしやすい方も多いのではないでしょうか。さらには自身の借金だけでなく義母の借金も返済を背負うことになり、彼女の負担はさらに増えるばかりです。
彼女は家族に借金のことを相談していないため、引っ越しなどの一大イベントを前にしてもお金がないとは言い出せません。やむを得ず借金をして費用を捻出するうちに、返済額がどんどんと膨らむ事態となってしまいました。それでも彼女は家族に内緒のまま、今も一人でコツコツと完済を目指して頑張っています。
ryouko2021さんはいわゆる「チャットレディ」のお仕事をしながら、その給料を返済へと回しています。チャットレディは時間をかければ良いというわけではなく、相手の喜ぶ返信を考えながらやり取りを続けなければならないそう。慣れない仕事によるストレス、返済が思うように進まないストレスに苛まれながらも、2024年12月弐はもともと200万円近くあったリボ払いが80万円台に突入するなど、努力の結果が現れつつあります。
また、ryouko2021さんのブログはレタスクラブWEBにて長期連載を果たしていましたが、読者からの反響が良く、電子書籍化を果たし話題を呼びました。美容やママ友とのランチなど、誰にでも起こり得ることが借金の始まりであるだけに、多くの方が共感できる内容として人気を集めています。
借金返済はやみくもにやるべからず!6つのコツを抑えて賢く返そう
これまでご紹介したブログの著者たちがなかなか返済をスムーズに進められなかったように、借金返済はやみくもに努力を続けていても実を結ばないことがあります。生活に大きな影響を及ぼすことでもあるため、これからご紹介する6つのコツを抑えながら返済計画を立てていきましょう。
まずは返済日に遅れないことを目指す
多くの借金は毎月返済日が決められており、その日を過ぎてしまうと「延滞金」がかかる仕組みです。これは返済が間に合わなかったことによるペナルティのようなもののため、通常の利息よりも高く設定されていることが多いといえます。1日よりも2日、2日よりも3日と日にちが過ぎるにつれて利息が大きくなっていくため、まずは返済日に遅れないことを目標にすると良いでしょう。
多くの方は借金をすぐに払ってしまいたいという思いから、少しでもまとめて返そうと努力しているのではないでしょうか。
しかし、だからといってまとまったお金ができるまで待っていては、返済日に間に合わず延滞金が発生してしまいます。最低返済額しか返せない月があったとしても、必ず返済日を守り、余計なペナルティを受けないように注意しなければなりません。
パチンコやギャンブルで返済に充てるお金を作らない
パチンコなどのギャンブルは一攫千金を狙えることから、わずかな元手で返済に充てるお金を作ろうとチャレンジする方も多いのではないでしょうか。趣味としてのギャンブルであれば問題ありませんが、借金返済のためにギャンブルへのめり込んでしまうことは避けましょう。失った元手を取り戻すべく借金してまでギャンブルをするなど、悪循環から抜け出せなくなってしまいます。
パチンコなどのギャンブルは中毒性があり、重症化すると入院治療が必要となる場合があります。高額な借金を抱えている人の中にはギャンブル中毒の方も多く含まれており、まずはギャンブルから抜け出すところからスタートしなければなりません。
借金返済までの長期的な計画を立てる
借金が多かったり、何社からも借りていたりする場合は、完済までに時間がかかってしまいます。早くスッキリしたいとの思いから短期間の返済計画を立てる方も少なくありませんが、生活費を大きく削っての返済はどこかで限界が来てしまうでしょう。無理のある計画が故に生活費が足りなくなり、結果として借金が増額してしまうことがないように注意しなければなりません。
そのため、返済計画を立てる際は「無理のない程度に」「長期的な」計画に仕上げることが大切です。月々決まった金額を返済してもまだ余裕がある、といったように、ギリギリ過ぎない毎日を送れるように調整しましょう。
借入先が複数ある場合はそれぞれの金利を確認する
借入先が複数ある場合、それぞれで金利の額が異なる場合があります。金利が高ければ高いほど毎月の返済の中で元本が減りにくいため、積極的に返済していかなければなりません。もしもまとまった金額を用意できる際は、金利の高い借入先を優先して繰り上げ返済を行いましょう。
借金の中には初月のみ金利ゼロで利用できたり、一時期のみ安い金利で利用できるキャンペーンを行っていたりするところもあります。こうしたキャンペーンに該当していないか、それぞれの借入先についてしっかりと調べておくことが大切です。
固定費を把握し減らせる支出を明らかにする
借金を返済するためには、まず「減らせる支出」と「減らせない支出」を明確にしておくことが大切です。減らせない支出とは、家賃や保険の支払いなどの固定費を指します。これらは毎月出ていく金額が一定であるため管理しやすく、家計簿を付けることでより分かりやすくなるでしょう。
これに対して減らせる支出とは、節約によって削減できるカテゴリを指します。食費や光熱費・娯楽費などが当てはまりますが、特に重要となるのは娯楽費の削減といえるでしょう。多くの方が食費から節約しようと試みますが、毎日の食事を我慢することである日突然暴食したくなったり、体調を崩して医療費がかかったりする可能性もゼロではありません。まずはしっかりと食事を摂って体調を整えた上で、普段よりも外食の回数を減らしたり、サブスクリプションを一つ解約したりといったところから始めてみることをおすすめします。
余力がある場合は副業や転職で収入アップを目指す
支出を減らすことに加え、収入アップを目指すことも借金返済の近道といえます。現在の職場から十分に給料をもらえており、単に支出の多さが原因で借金をしている場合は、無理に職場を変える必要はありません。収入が少なく借金に充てる十分な余力がない場合は、思い切って転職をしたり、副業を始めたりしてみると良いでしょう。副業に関しては禁止している職場もあるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
転職をする際は、これまでとどのように収入が変わるかといった点はもちろん、一般的な転職と同様に福利厚生なども入念に調べておかなければなりません。激務によるストレスで暴飲暴食やギャンブルにのめり込んでしまったり、体調を崩して医療費がかさんでしまったりしていては元も子もないでしょう。失業手当をもらいながら、自分に合う職場を見定めていきましょう。
借金返済は何が大変?体験談ブログから学ぶ注意点4つ
これまでにご紹介した体験談ブログを見ていると、借金返済には多くの苦労があることが分かるでしょう。続いてはブログから学ぶ借金返済の注意点について、4つのポイントに分けてご紹介します。
返済額に対して利息の占める割合が大きい
一部の奨学金などを除き、多くの借金には「利息」が付いています。借金を返すまでの時間が長くなればなるほど利息が大きくなり、毎月の返済に大きく影響を与えてしまうでしょう。中には毎月1万円を返済していても、そのうち元本が占める割合が5,000円以下であり、完済までには倍近くの金額を返さなければならない場合もあります。
そのため、先ほどもご紹介したように、利息の割合が大きい借金ほど早く返さなければなりません。ボーナスなどでまとまったお金ができたときには、利息の高いところから積極的に繰り上げ返済を行いましょう。
弁護士や司法書士に相談するにも費用が掛かる
借金返済には「債務整理」と呼ばれる救済措置が用意されていますが、誰しもが無料で利用できるサービスではありません。これらの措置は弁護士や司法書士へ相談しながら利用する必要がありますが、借金の総額が減る代わり、弁護士や司法書士への相談料や利用料を支払わなければならないでしょう。そもそもこの相談料や利用料すら捻出できず、相談したくてもできずにいる方が少なくありません。弁護士や司法書士へ相談するために新たな借金をしてしまい、結果として負債を増やしてしまう方もいます。
借金問題に強い弁護士や司法書士の中には、相談料が無料であったり、利用料を分割で返済できたりするところがあります。これまでに借金問題を多く解決している事務所であれば、利用料すらも捻出が難しい状況を汲み取り、より良いアドバイスをしてくれるでしょう。
ブラックリストに載るためローンが組めない
借金の返済が長期間遅れてしまったり、債務整理を行ったりすると、「ブラックリスト」に氏名が掲載されることになります。ブラックリストに載ることで新たなクレジットカードが作れなくなったり、カードローンや銀行ローン・住宅ローン・マイカーローンといったローン関連も新たに利用できなくなります。返済がどの程度遅れたか、またはどの債務整理を行ったかによってもブラックリストに載る期間が異なりますが、多くの場合で5年から10年ほど掲載され続ける点に注意が必要です。
返済計画を細かく立てなければならない
借金返済にあたって、返済計画の作成は必ずやらなければならないポイントの一つです。やみくもに借金を返しているだけでは、突発的な出費や体調不良などに対応できないでしょう。元々細かく計画を立てることが得意な方であれば問題ありませんが、計画通りに行動することが苦手な方や、そもそもどうやって計画を立てれば良いのか分からない方、自身の収入と支出がハッキリしない方などは要注意です。
借金返済に役立つおまとめローン・借り換えローンとは
借金返済を効率的に進めるため、「おまとめローン」と「借り換えローン」について学んでおく必要があります。単にダラダラと返済を続けるよりも、効率的な返済方法について知っておくことで、完済までの道のりが短縮できるでしょう。
おまとめローン
おまとめローンとは、複数の借入先から借金をしている方に向いた方法です。金利の異なる様々な借入先から借金をすることで、毎月の返済額が大きくなり、負担が増えてしまうでしょう。これを一つの借入先へまとめることで、金利が一定になり、毎月の負担を減らすことに繋がります。
おまとめローンを利用する場合、複数のローンを一本化するため、返済計画が立てやすいといったメリットがあります。おまとめローンの審査に通ると、おまとめローンを利用する会社(以下A社)が、利用者に代わって他のローン会社へ返済を行います。その後はまとめた金額をA社へ返済していくことになりますが、返済が終わった他のローン会社を新たに利用することはできません。
おまとめローンは金利が低く設定されていることも多いため、金利の高さに悩んでいる方にとっては大きなメリットとなります。一方で既に金利の低いローン会社から借金をしている方や、おまとめローンをすると却って金利が高くなってしまう方には向いていません。
借り換えローン
借り換えローンとは、現在利用しているローン会社から別のローン会社へ借金を乗り換えることを指します。おまとめローンもいわば借り換えローンの一部ですが、借り換えローンは主に1社から1社への乗り換えを指すことがほとんどです。
借り換えローンのメリットは、金利18%のA社から金利15%のB社へ借金をしなおすことで、金利を抑えて返済総額を減らせる点にあります。この場合、A社へ支払う借金の全額をB社から借り、A社を完済してからB社への返済を行うことになります。
おまとめローンも借り換えローンも、一時的に多額の借金をすることになるため、必ず審査に通るとは限りません。安定した収入があり返済能力があると判断された場合や、借金の滞納がなく期日に間に合うよう返済してきた方などは、比較的通りやすいといえるでしょう。
借金返済の目途が立たない場合は債務整理を検討しよう
自分の力だけで借金を返せないと判断した場合は、弁護士や司法書士に相談し、債務整理について検討することが大切です。これらの救済措置は決して違法などではなく、国によって定められた権利であるため、正しく手続きをした上で利用することが大切です。
4種類の債務整理から自分に合うものを選んで利用する
債務整理には大きく分けて4種類があり、それぞれ特徴が異なります。弁護士や司法書士へ相談した上で自分に合うものを選択することも大切ですが、相談前にそれぞれの特徴を抑え、自分に必要なものをイメージしておくと良いでしょう。
任意整理
任意整理とは、現在の借金に対して付く利息をカットし、残った元本を決まった年数で割って返済をスタートさせる方法です。利息がなくなるため、最終的な返済金額が大きく減る点がメリットといえるでしょう。
任意整理は裁判所を通すことなく、弁護士や司法書士がローン会社と直接やり取りをすることで開始できます。全ての借金に対して行う場合もあれば、利息の大きなローン会社のみに対して行うこともでき、利用者の状況に合わせて調節しやすい点も魅力的です。
特定調停
裁判所を介さずに利息をカットできる任意整理に対し、ローン会社と利用者の間に裁判所が入ってやり取りを行う「特定調停」といった方法があります。これは弁護士や司法書士を介することがないため、利用者本人が手続きを行うことで、利用料や相談料などがかからないといったメリットがあります。もちろん自身で手続きを行う際は手間や時間がかかることから、日々忙しく空き時間を確保できない方にはおすすめできません。
自身で手続きを行わなければならないとはいえ、裁判所では書類の書き方や手続きの仕方などをしっかりと指示してもらえます。これまでに裁判所へ行ったことがない方や、自身の借金についてしっかりと把握していない方でも、任意整理と同じくサポートを受けながら挑戦できるでしょう。
個人再生
個人再生とは、間に裁判所を介し、借金の総額を8割程度減額することを目指す方法です。この「8割」という数字は利用者の状況によって異なりますが、既に返済が難しいと判断された多額の借金が大幅に減額することになるため、利用者の負担も減ることは間違いないでしょう。残った借金は3年もしくは5年かけて完済を目指し、その間は新たな借金ができません。
個人再生は自己破産と異なり、住宅や車など一部の財産を残したまま借金を減らせる点がメリットといえます。地方に住んでおり車での移動が欠かせない場合や、仕事にPCを使っており没収されると返済ができなくなる場合などは、個人再生を選択すると良いでしょう。
自己破産
自己破産とは、これまでの借金を全てなくし、返済金額をゼロにするための方法です。これも個人再生同様に裁判所へ書類を提出し、借金の返済が著しく困難であることを認めてもらわなければなりません。自己破産では所有している財産を手放さなければならず、場合によっては住宅や車などを売り、得た金額を借金返済に充てなければならない点に注意が必要です。
自己破産以外の債務整理は、家族に借金があることを知られたくない方でも隠したまま利用できるといった特徴があります。これに対し自己破産はというと、高価な財産を処分しなければならないことから、家族に知られてしまう可能性が高いでしょう。さらに借金に対して連帯保証人を立てている場合、利用者本人の借金が免除されたとしても、連帯保証人に返済義務が生じる場合があります。
とはいえ、自己破産は「人生の終わり」などではなく、返済義務をなくし生活を立て直すための正式な手続きの一つです。自己破産が認められるほどの借金苦にある場合は、一刻も早く弁護士や司法書士へ相談することをおすすめします。
債務整理を利用する際はデメリットに注意すべき
債務整理は借金を減らしたりなくしたりすることができますが、一方でいくつかのデメリットに注意しなければなりません。主なデメリットは以下の通りですが、その後の生活に影響を及ぼしやすいものもあるため、必ず事前に確認しておきましょう。
債務整理のデメリット
- ブラックリストに登録される
- クレジットカードの利用や新規発行ができなくなる
- カードローンや銀行ローンの審査が通らなくなる
- 保証人や連帯保証人になれなくなる
- 一部の賃貸物件が借りられなくなる
- 銀行口座凍結の可能性がある
- 弁護士など一部の職業に就けなくなる(自己破産の場合)
- 家族に借金のことを知られる可能性がある(主に自己破産の場合)
クレジットカードを利用しなくても現金払いで対応できる方や、既に家を持っており賃貸物件を借りる必要がない方などは、これらのデメリットを加味しても債務整理を利用した方が良いといえます。特に家族へ内緒にしたい場合や、何らかの事情でクレジットカードを使わなければならない場合などは、その旨も含めて弁護士や司法書士へ相談すると良いでしょう。
借金返済は早めの対策が吉!ブログでの体験談を元に返済計画を立て始めよう
どれだけ懸命に努力を続けていても、なかなかうまくいかないのが「借金返済」です。まずは今回ご紹介したブログのような体験談を元に、借金返済のリアルを知っておきましょう。その上で自分に合った返済計画を立てたり、必要に応じて債務整理を利用したりしながら、完済に向けて着実に行動していくことが大切です。